攻撃性に特化したチンパンジーも協調性の権化であるボノボも共にジャングルから脱出することが出来なかった。ジャングルを脱出し新天地の王者となったのは攻撃性と協調性の両方を適度にバランスよく保有していたホモサピエンスなのだ。著者も両者のバランスの大切さを何度も言っている。人間万事バランスが大事。
もっともすべての商取引の原点は信頼関係にあると言うことは、太古の昔から変わらない。現代社会はちょっと金儲けの方にぶれている感じもする。
著者は20年間もあらゆる機会に人々を注射器片手に追っかけ回し、膨大なサンプルを集め、ついにこの微量血液物質を発見し「神経経済学」という新しい学問分野を切り開いた特異な人物。アダム・スミスの『道徳感情論』を高く評価する経済学者でもある。
感心するのは、こんなへんな研究にお金を出し続けてきたアメリカの大学。ニッポンとは懐の深さが違うわ。
1 件のコメント:
ヒトは取引相手から不当な取り扱いを受けていると判断すると〔つまりぼられていると判断すると〕次回はその相手を罰する行動に出るという。もっともなことである。どっかの県知事は県の特産品として「一個1万円」のマンゴーを売り出し大儲けしたと自慢していたが、その後一年、同県の物産展の売上は激減している。天網恢々疎にして漏らさずなのだ。
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